むし歯って何?
むし歯とは、酸によって歯が溶けて穴があいてしまう病気のことです
お口の中に住みついている菌が私達が食べるごはんや飲み物に含まれる糖分・糖質を栄養にして増えて歯垢(プラーク)をつくりその歯垢(プラーク)の中で酸をつくります
この酸によって歯が溶けて穴があいていくのです
むし歯の原因と対策
Newbrunの4つの輪(ニューブランの4つの輪)
むし歯の原因は一つではなく、様々な要因が重なって発生します
むし歯の主流の考え方として「Newbrunの4つの輪(ニューブランの4つの輪)」があります
これは、1960年代にKeyesという研究者が提唱した(カイスの3つの輪)「歯(歯の質)」「菌(むし歯原因菌)」「糖分・糖質」が重なった時にむし歯発生するという考え方に、食べ物や飲み物がお口の中に入ってから歯を磨くまでの「時間」が加わったものです
つまり、むし歯は甘いものを食べたからできるのではなく4つの要因が重なって発生するということです
反対にこの4つの要因が揃いにくい人、
・生まれつき歯が強い
・お口の中の菌が少ない
・糖分/糖質をあまり摂取しない
・食事時間が決まっている(ダラダラ食いをしない/間食がほとんどない)
このような人は唾液の自浄作用効果もあり歯垢(プラーク)ができにくいため、むし歯になりにくい人だということができます

出典元:ピクシカ
むし歯にならないために
「Newbrunの4つの輪(ニューブランの4つの輪)」を元にむし歯にならないためにできることを考えていきましょう
①歯(歯の質)
・歯の質というのは、生まれ持った歯の性質、歯の形、歯並びのことです
・歯が作られる環境の違いなどで個人差がありますが、歯の質が弱いためにむし歯になりやすい人もいます
・特に乳歯や永久歯の生えはじめは歯の質が柔らかくむし歯になりやすいため子どもは注意が必要です
対策
歯の質を向上させるために
「フッ素を取り入れる」
「ご飯をよく噛み唾液をしっかりと出す」
「歯列矯正」が有効とされています
②菌(むし歯の原因菌)
・むし歯の原因となる代表菌には「ミュータンス菌」と「ラクトバチルス菌」の存在があります
・「ミュータンス菌」はお口の中にくっついて歯垢を作り、糖を分解して酸を出し歯を溶かして行きます
「ミュータンス菌」歯の主成分であるカルシウムやリンを溶かして歯をもろくスカスカにしてしまうため虫歯が進行すると穴があいてしまうのです
・また「ラクトバチルス菌」は炭水化物や砂糖、乳酸菌飲料などの食物に多く含まれています
腸内環境には良い働きをする善玉菌ですが、お口の中では「ミュータンス菌」によって作られたむし歯というお家ができると棲みついて増殖しむし歯の進行を手助けしてしまいます
対策
・菌を減らすには、日々の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なクリーニングが有効です
・また、「ミュータンス菌」は歯が生え始める生後6ヶ月ごろから周りの人から感染が始まるとされています
赤ちゃんの近くにいる人は特に歯医者でむし歯の治療、クリーニングを行うことをおすすめします
・キシリトールガムを食べることでミュータンス菌を減らすことができます
③糖分・糖質
・食べものに含まれている糖質や砂糖などの糖分は、②の菌が酸を作る材料になります
対策
・糖はからだにとっても必要なエネルギー源です
「摂取量や摂取時間を制限」「粘着性の高いおやつを摂取しない」を心がけましょう
④時間
・歯を溶かすまでに必要な時間のことを示します
歯を溶かす酸は、歯垢(プラーク)が形成されてから24〜48時間で作りだすと言われています
つまり1日歯を磨かない(しっかりと磨けていない)だけでお口の中は酸に侵されている状態ということになります
対策
・「食後30分くらいで歯磨き」「夜寝る前は特に気をつけて歯磨きをする」
「1日中ダラダラ食べたり、ジュースなどを飲んだりしない」
まとめ
むし歯は「歯(歯の質)」「菌(むし歯原因菌)」「糖分・糖質」「時間」の4つの要因が重なりできます
むし歯を予防するために
・歯を丈夫にする
・むし歯の菌を減らす
・むし歯が活動しやすい環境にしないこと
を心がけましょう