歯磨き用品

“現役歯科衛生士”と選ぶ!お口のための歯ブラシ

近年、歯ブラシは技術の進歩により多様化しています
ドラッグストアで販売されている歯ブラシコーナーをみてもその種類の豊富さに圧倒されてしまうこともしばしば、、、

また、歯科専売品や海外からの輸入品、SNSでトレンドに上がる歯ブラシなど種類や材質、機能に加えその時代の流行によって目的が変わるのも歯ブラシ選びで難しいポイントの一つになっています

お口の健康管理に欠かせない歯ブラシ
より、効果的で快適な歯磨き体験を提供できることを目的にしていますので
ぜひ当記事を参考に歯ブラシを選んでみてくださいね

歯ブラシ選びの3つの基本

歯ブラシがお口に合っていないとせっかく歯磨きをしても磨き残しが出てしまい、むし歯や歯周病、口臭の原因になります

・①使用目的
・②ヘッドのサイズ
・③毛の硬さ

の3つの基本を中心に歯ブラシを選んでみましょう

①使用目的

お口の環境や歯ブラシを使う目的にあわせて選びましょう

1.むし歯予防

むし歯を予防したい、プラークの付着を防ぎたい場合は


歯ブラシの形状(毛先)が
・フラット
・ラウンド
になっており、

歯ブラシの硬さが
・ふつう
・やや硬め
となっているものがおすすめです

2.歯周病予防/歯肉ケア

歯周病を予防したい、現在、歯周病にかかっている場合は


歯ブラシの形状(毛先)が
・極細毛(テーパード毛)
・超極細毛(スーパーテーパード毛)
になっており

歯ブラシの硬さが
・やややわらかめ
・やわらかめ

となっているものがおすすめです

3.審美目的(歯を白くしたい)

基本的に、歯ブラシは歯の表面に付着しているプラークを除去することしかできないため、歯を白くするためのホワイトニング(漂白効果)の効果を期待をすることはできません

しかし、
・歯についた着色汚れ(ステイン)をとりたい
・タバコのヤニをつきにくくしたい
・歯科医院などで行ったホワイトニング後の白さを持続したい
などの効果を期待することはできます

歯ブラシの形状(毛先)が
・ひし形毛
になっており

歯ブラシの硬さが
・ややかため
・ふつう

となっているものがおすすめです

4.歯列矯正中

歯列矯正中はお口の中に装置があるので歯磨きがとても大変です
しかし、歯磨きを怠ってしまうとむし歯や歯周病になりやすいだけでなく歯の移動量にも影響があると言われています

矯正治療中は、
・ブラケットの周り
・歯と歯の間
・歯と歯肉の間
に汚れが溜まりやすくなっています

そのため、一般的な歯ブラシでは対応しにくい箇所もあるため専用の歯ブラシを使うことがプラーク除去に効果的とされています

矯正用の歯ブラシは
・2列型
・U字型
・山形
などがあります

また、
・1本ブラシ(ワンタフト)
と呼ばれる毛束が1つのヘッドの小さな歯ブラシも補助用具として使用するのもおすすめとなっています

5.小児用

子ども用の歯ブラシを選ぶ際は、歯ブラシのパッケージに記載されている年齢表示を参考にすることがおすすめです
ただし、発育が比較的はやいお子さんやゆっくりめのお子さんはその限りではないため、歯科医院で選んでもらうと良いでしょう

乳歯から永久歯へと生え変わっていく小学生の時期は歯並びにあわせてしっかり歯ブラシの毛先を当てられること、操作性が良いことがプラークを除去するポイントです

子ども用の歯ブラシは
・ヘッド
・ネック
・ハンドル
部分に着目して選ぶようにしましょう

0歳(歯が生えていない時)

赤ちゃんの歯が生えはじめるのは、生後6ヶ月頃からとされています
お口は敏感な場所です
歯が生えるまでに歯のケアに慣れてもらえるようガーゼを人差し指に巻きつけてお口の中(内側のほっぺたや歯茎)を優しく撫でましょう

6ヶ月(歯が見えてきたら)〜

歯が生えはじめたら、必ず歯ブラシの毛先に慣れてもらえるよう歯のケアは歯ブラシ(ナイロン毛)を使用する必要があります


乳歯の萌出する状態によっては少し触れただけでも不快感を感じる場合もあります
・毛先が柔らかく、ヘッドが小さい歯ブラシ
がおすすめです
スキンシップの一環として取り入れ歯のケアは楽しいものだと感じてもらいましょう

10ヶ月(前歯が生えはじめたら)〜


前歯がしっかり生えてきたら、本格的に歯磨きを始める必要があります
赤ちゃんの小さなお口の中でも動かしやすいサイズの歯ブラシがおすすめです
引き続き
・毛先が柔らかくヘッドが小さい歯ブラシ
がおすすめです

また、本人にも
・リング型歯ブラシ
などを使ってもらい歯ブラシに慣れてもらいましょう
必ずおとなが見守り、喉付き事故のリスクが少ないものを選ぶようにしてくださいね

1歳2ヶ月(奥歯の乳歯が生えはじめたら)〜

おとなが一生懸命仕上げ磨きをする時期です
寝かせた状態で奥歯が見えるように確認しながら磨きましょう
奥に当たっても痛くないように
・歯ブラシのヘッドがやわらかい素材
でできているものがおすすめです

3歳半(乳歯が生え揃いはじめたら)〜

絶賛イヤイヤ期に突入しているお子さんも少なくありません
今までのお口ケアの習慣が無駄になる訳ではありませんが、格段に仕上げ磨きが難しくなります
本人にはおとなが見守り
・安全設計がされている歯ブラシ
・不器用でもある程度綺麗に磨ける歯ブラシ
を使ってもらうとよいでしょう
例)歯ブラシ自体が曲がるもの
  毛がぐるっと密集しているもの

おとなの仕上げ磨きは変わらず
・毛先が柔らかくヘッドが小さい歯ブラシ
がおすすめですが
お子さんの力が強くなっている分仕上げ磨き中に噛まれて怪我を使用しないように、
・噛む用の歯ブラシ
・仕上げ磨き用の歯ブラシ
と、二刀流で望むと良いでしょう

5歳(乳歯が生え揃ったら)

本人には
・毛の硬さが柔らかい
・ヘッドがコンパクト
・毛先が丸い
・柄が短い
・持ち手が太く握りやすい
ものがおすすめです


おとなが使用する仕上げ用歯ブラシは、今までと同じ
・毛先が柔らかくヘッドが小さい歯ブラシ
に加えて
・今まで使用してきた歯ブラシよりネック部分が少し長めのもの
に変更がおすすめです

6歳(6才臼歯である第一大臼歯が生えはじめたら)〜

奥歯の永久歯が生えてきたら
・フラット毛かラウンド毛
・先端のカットが尖ったもので凸凹した奥歯のみぞの汚れが掻き出しやすいもの
・太めのハンドル
・今までよりネックが長いもの
がおすすめです

仕上げ磨きは、お子さんが使用している歯ブラシをそのまま使っても問題ありませんがよりコンパクトなタイプがおすすめです

小児用歯ブラシまとめ

子どもの口腔ケアには、永久歯が生え揃う10〜12歳頃まで、おとなによる仕上げ磨きが必要です
年齢や子どもの発育にあわせた歯ブラシを選んで適切な口腔ケアを行いましょう

②ヘッドのサイズ

歯ブラシの「ヘッド」とは、歯ブラシの先端部分のことを指します
この部分にはブラシの毛がついており実際に歯を磨く役割を果たします
ヘッドのサイズや形状はさまざまで、自分のお口にあった大きさを選ぶことが大切です


・お口の大きさ
・歯の並び、形


を意識してみましょう

小さめのヘッド

メリット

・細部までブラシが届きやすい
・小回りがきく
・不快感を感じにくい

デメリット

・お口の中全体を磨ききるのに時間がかかる

大きめのヘッド

メリット

・一度に磨ける範囲が広いため歯磨きの時間短縮になる

デメリット

・磨き残しが残りにくい

歯ブラシヘッドのまとめ

一般的に、歯ブラシの大きさは縦幅は上の真ん中前歯1本分、横幅は植毛3列で小さめが適正サイズが適正とされています
ヘッドが大きすぎると、奥歯や細かい部分へ毛先が届きにくく磨き残しが多くなります

特に男性より女性はお口が小さい方が多いため、小さいサイズを選ぶことをおすすめします

しかし、ヘッドが小さすぎる歯ブラシは細かい部分まで磨くことができるものの全体を磨くのに時間がかかってしまいます

歯磨きの時間がどのくらい取れるのかもあわせて考えてみてください

③毛の硬さ

種類

基本的に歯ブラシの毛の硬さは3種類あります
・かため
・ふつう
・やわらかめ

ただし、メーカーや歯ブラシの種類によっては
・H (ハード)(硬い)
・MH (ミディアムハード)(やや硬い)
・M (ミディアム)(ふつう)
・MS (ミディアムソフト)(やややわらかい)
・S (ソフト)(やわらかい)
・SS (スーパーソフト)(とてもやわらかい)
・ESS(エクストラスーパーソフト)(かなりやわらかい)
など細かく分けられていることもあります

歯ブラシの毛の硬さまとめ

基本的には、ふつうの硬さが推奨されていますが
・年齢
・お口の環境
に応じて柔軟に硬さを変えていくことも大切です
ただし、「硬い」歯ブラシを使用する際は注意が必要です
歯ブラシの毛が硬い分プラークを除去しやすいのですが、力のコントロールが難しく歯や歯肉を傷つけてしまうおそれがあります

自分に適した歯ブラシがわからない場合こそ、歯科医院にて歯科衛生士さんに尋ねて見てくださいね

その他のポイント

歯ブラシは1日3回、朝・昼・晩と食事後に磨くことが推奨されています

ただ、うっかり忘れてしまったり、めんどくさく感じてしまう方も少なくないと思います

そんな方には、自分のテンションが上がる歯ブラシのデザインやうっかりを防止する機能付きの電動歯ブラシを取り入れてみてはいかがでしょうか

毎日使うものだからこそ歯ブラシはこだわってもいいんじゃないでしょうか

まとめ

歯ブラシは月に1度の交換が推奨されています
自分のお口の環境やライフスタイルにあわせた歯ブラシを使用して日々の口腔ケアに努めましょう