お口について

ブラキシズム

ブラキシズムって知っていますか?

ブラキシズム=歯ぎしりだけではない

ブラキシズムとは、歯ぎしりやくいしばりなどの習癖をさす専門用語です
無意識のうちに上下の歯を噛み合わせたり、食いしばったり、接触させたりする行為の総称を指します

ブラキシズムをするタイミング(大別)

ブラキシズムは、大きく分けて
・睡眠中に生じ無意識に行う「睡眠時ブラキシズム」
・力仕事やストレス反応などで行う「覚醒時ブラキシズム」
の2つに分類されます

睡眠時ブラキシズム

ブラキシズムは、主に睡眠中に発生します
睡眠時のブラキシズムは、歯ぎしりをしたり、歯を強く食いしばったりすることを指します
一般的には、ストレスや不安、緊張などが原因の代償反応とされています
また、歯並びや咬み合わせの異常、睡眠時無呼吸症候群などの身体的な要因も関与されています


・歯ぎしり(グラインディング)
・食いしばり(クレンチング)

覚醒時ブラキシズム(日中歯ぎしり)

起きている時に無意識に歯を噛み締めることを指します
運動や力仕事をする時、緊張した時やストレスに反応して行われることが多いです
歯を接触させることが習慣化している状態で、弱い力で長時間行われることもあります

・歯ぎしり(グラインディング)
・TCH

ブラキシズムの種類

歯ぎしり(グラインディング)

出典元:歯科素材.com

歯ぎしり(グランディング)は、無意識のうちに歯を擦り合わせたり、噛みしめたりする習癖を指します
睡眠時の状態で行い、「ぎしぎし」「キリキリ」といった音を伴います

噛みしめ・くいしばり(クレンチング)

出典元:歯科素材.com

噛みしめ・くいしばり(クレンチング)は、上下の歯を合わせて強く噛みしめ、顎の筋肉を硬直させることを指します
主に睡眠時に起きることが多いですが、起きている時にも無意識に行います
動きはするがあまり音が鳴らないのが特徴とされています


睡眠時
 ストレスや不安などが原因とされており、強い力が特定の歯に集中しやすい
起床時
 比較的強い力を伴い運動や力仕事をする時、緊張した時やストレスに反応して行われることが多い

TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)

出典元:歯科素材.com

TCHは、口を閉じている時に上下の歯が常に接触している習慣を指します
弱い力で長時間行われるため、起床時に行うとはいえ意識をしないとなかなか自分で気づくことができません

歯痕舌・舌圧痕


出典元:歯科素材.com

これはTCHで、無意識のうちに舌が歯に押し付けられた舌の状態です
舌に歯型がつく状態のことを
「歯痕舌(しこんぜつ)」
「舌圧痕(ぜつあつこん)」
呼びます

顎関節症

痛みを伴う顎関節患者さんのTCHの割合は約半数とされ、健常者に比べて2.5倍以上となり、TCHは歯や口腔粘膜だけでなく顎にも深い影響を及ぼしていると考えられています

ブラキシズムによる弊害

力の問題を見逃すと・・・

お家で丁寧な歯みがきをし、定期的なメインテナンスをしてお口の中の衛生状態が良くてもブラキシズムが原因で歯の根の部分にヒビが入り

歯を失う

場合があります

ブラキシズムにより


・歯にヒビが入る
・歯が欠ける
・歯が割れる

・詰め物が取れる
・詰め物が欠ける


・被せ物が取れる
・被せ物が割れる
・被せ物の一部が欠ける

・入れ歯に問題がないのに痛みが継続する

などが起きるリスクがあります

ブラキシズムのチェックリスト

3つ当てはまったらかかりつけの歯医者さんに相談してみてくださいね

①就寝時、家族やパートナーから歯ぎしりを指摘されたことがある
②起床時、顎に違和感を感じることがある
③歯全体に重たい違和感を感じることがある
④舌になみなみとした痕がある
⑤歯が欠けたり被せ物が取れやすいと感じる
⑥日中集中している時間が長い
⑦力仕事で力むことが多い
⑧ストレスや不安が体調にでやすい
⑨顎から頭にかけて頭痛のような痛みがでる

まとめ

ブラキシズムは、睡眠時や起床時に無意識に行われる習癖です
歯ぎしりや食いしばり、TCHにより歯や顎に負担がかかります

ブラキシズムにより歯を失う可能性もありますが、自分で気づいたり、コントロールしたりすることが難しいため歯医者さんによる指摘・指導・治療が必要です

歯医者さんでプラークコントロールと合わせてフォースコントロールを行いましょう
まずは、ブラキシズムについて理解し、フォースコントロールを実践しましょう