歯磨き粉(歯磨剤)の分類
歯磨き粉(歯磨剤)は、薬事法により
・化粧品・・・・・基本成分だけからできているもの
・医療部外品・・・基本成分に薬用成分が加えられているもの
に分けられます
日本で販売されている歯磨き粉の約90%は「医療部外品」となっており、市販されている歯磨き粉のうち約80%にフッ化物が配合されています
ほとんどの人が歯磨きの際に歯磨き粉を使用することから、この薬用成分を上手に利用することで歯科疾患の予防が効果的に行うことが可能となっています
最近の歯磨き粉の成分としては
・低研磨・・・研磨剤で歯の表面を削るリスクを減らすため
・低発泡・・・泡立ちが強いと口の中が泡でいっぱいになり、フッ素が歯質に取り込まれずに流れてしまう可能性があるため
が主流になっています
市販のフッ化物配合歯磨剤 一例
剤型(歯磨き粉類の形や状態)
歯磨き粉を剤型別に分けると
・粉
・潤製
・練り(ペースト)
・液状
・液体(デンタルリンス)
に分類されます
液体歯磨剤は、洗口剤と区別しにくいですが
「洗口後歯磨きをする」
という点で異なります
歯磨き粉の剤型は、歯ブラシや歯間ブラシなどと組み合わせることで、むし歯や歯周病など、目的とするリスクに対処しやすくなります
歯磨き粉の成分は、歯磨き粉の裏面にある「成分」という欄に記載されています
歯磨き粉の成分による分類

歯磨き粉の効能・効果
化粧品歯磨剤で表示できる基本効能・効果 | 配合薬用成分によって表示できる 医薬部外品歯磨剤の効能・効果 |
①歯垢を除去する ②歯石の沈着を防ぐ ③むし歯を防ぐ ④歯のヤニをとる ⑤歯を白くする ⑥口中を浄化する ⑦口臭を防ぐ 上記以外に “お口の中を爽快にする” も表示可能 | ①むし歯の発生および進行の予防 ②歯周炎の予防 ③歯肉炎の予防 ④歯石の沈着を防ぐ ⑤口臭の防止 ⑥タバコのヤニ除去 上記以外に“歯垢を分解する” “知覚過敏の予防” も表示可能 |
フッ化物配合歯磨剤
前文でお伝えしたとおり、歯磨き粉の多くはフッ化物配合歯磨剤です
これは、幼児から高齢者まで誰もがセルフケアとして実施できるフッ化物応用法でもあります
特徴
①日常の歯磨きに取り組み簡単にむし歯予防ができる
②誰でもどこでも簡単に入手できる
③歯磨き粉として使用するため、全量を飲み込む危険は少ない
④他のフッ化物局所応用法と併用できる
⑤1日に数回使用することにより、再石灰化を促進させる機会を増やすことができる
効果
①むし歯予防効果(むし歯抑制率)25〜40%程度
②成人の歯の根もとにできるむし歯(根面う蝕)にも予防効果が認められている
使用量と使用法
フッ化物配合歯磨剤の効果を十分に発揮させるためには、適切な量と使用法が大切です
(e-ヘルスネット:厚生労働省)
①年齢に応じた量の歯磨き粉を歯ブラシにつける
②磨く前に歯磨き粉を歯面全体に広げる
③2〜3分間、歯磨き粉による泡立ちを保つような歯磨きをする
④歯磨き粉を吐き出す
⑤10〜15mLの水を口に含み5秒程度ぶくぶくうがいをする(一回だけ)
⑥その後1〜2時間程度を飲食をしないことが望ましい

使用回数
1日2、3回と頻度が高い方が良いとされています
使用回数が多いほど、お口の中のフッ化物イオン濃度を高く保つことができるため、むし歯の予防効果が高くなります
まとめ
歯磨き粉にはさまざまな成分やはたらきがあります
むし歯が気になる方は薬効成分としてモノフルリン酸ナトリウムが配合された商品を、歯茎の出血が気になる方は薬効成分として塩化セチルピリジニウムや塩化クロルヘキシジン、トラネキサム酸が配合された商品を選ぶなど悩みに合わせて歯磨き粉を検討してみてはいかがでしょうか?
また、フッ化物は「むし歯」「知覚過敏」「歯周病」などさまざまなお口の悩みに効果があります
生え始めたばかりの歯は歯質が弱いため、むし歯になりやすいとされているため、早い段階からフッ化物配合歯磨剤を取り入れてむし歯予防を行うことで乳幼児期の歯をセルフケアで守ることもできます
ドライマウスや糖や酸の摂取量が高い方にもフッ化物配合歯磨剤は推奨されています
高齢者になると、歯の歯茎が下がり、歯の弱い脂質である根元が露出してる方が多く、非常にむし歯になりやすいとされています
昔の言葉で言うと「老人性う蝕(むし歯)」と言われています
根元から知らず知らずのうちにむし歯が進んでしまうと、歯を失うリスクも高くなります
どの年代の方においてもお仕事場や自宅で使用しやすいフッ化物配合歯磨剤を探して、使用量と使用方法を守りながら、日々の歯磨きに役立ててくださいね