歯科衛生士の名前の由来
歯科衛生士は英語で
「DentalHygienist(デンタル・ハイジニスト)」と呼ばれています
DentalHygienistの語源は、英語の名詞の「dental」と「hygienist」に由来します
「dental」は「歯の」という意味でラテン語の「dens(歯)」から派生しています
一方、「hygienist」は「衛生」を意味する「hygiene」という言葉からきています
「hygiene」は、ギリシャ語の「hygiene(健康)」に由来しています
ギリシャ神話にはヒュギエイア(Hygieia)が登場し健康の維持や衛生を司っています
つまり「DentalHygienist」は歯の衛生を専門とする人という職業名であると同時に
歯の健康を司る女神
ということになります
一般的には医療業界の中でも、看護師さんが「Ns(ナース)」「白衣の天使」と広く認知されていますよね
歯科衛生士も「DH(ディーエイチ)」という略語もありますし
「歯の健康を司る女神」、、、長いですね
「歯の女神」
として広く認知されたいものです
歯科衛生士の起源
現在日本国内には、145,183人の歯科衛生士が就労しています(厚生労働省令和4年末調べ)
日本国内でも一般的な職業として認められていますが、元々はアメリカが発祥の職業です
アメリカで歯科衛生士の誕生
歯科衛生士のはじまりは今から100年以上前まで遡ります
1907年 アメリカ 歯科衛生士の誕生
1913年 アメリカ 歯科衛生士養成所を開設
1914年 アメリカ 27名がコネチカット州にて免許を取得
当時から歯科衛生士の教育は徹底されており
・歯石除去
・歯面研磨
の訓練がされていました
これは、現在の歯科衛生士業務の実践理論、予防技術に通じます
日本へ歯科衛生士という職業を紹介した人物、団体
岡田 満
1919年にアメリカに留学していた岡田 満氏が、コロンビア大学やフォーサイス児童診療院(ボストン)について見聞した様子を紹介しています
川上 為次郎
1921年に川上為次郎氏がコロンビア大学の歯科衛生士養成所の規定を雑誌に紹介しています
しかしながら、岡田満氏や川上為次郎氏の紹介だけでは米国のような歯科衛生士の導入にはなりませんでした
歯科医師会(新潟県)
1921年に新潟歯科医師会では、歯科衛生手の養成を開始しました
当時は、歯科医師の養成制度が変わったことで補助をしていた歯科医師の見習いがいなくなり人手不足が生じていました
その充足が狙いではありましたが、応募者が少なくその解消にはなりませんでした
また、現場では歯科診療の補助的役割を行う要員の養成に関心が寄せられていましたが発展せず終わりました
神谷市太郎
1918年頃から米国やヨーロッパを視察した神谷市太郎氏(ライオン歯磨小林商店の重役)が、日本の情勢を鑑み歯科保健志向に沿ったライオン児童歯科医院を開設し、
1922年から「口腔衛生手」を養成し助手として採用しています
日本 歯科衛生士法 設置
1945年 第2次世界大戦終戦
1946年 歯科教育審議会が発足し日本でも歯科衛生士の必要性が述べられました
1947年
連合軍総司令部(GHQ)が日本の公衆衛生について大改革がはじめられ、
同年9月に保健所法改正が行われ、保健所の歯科衛生士業務内容が明示されました
1948年3月
全国から24人の保健婦が集められ2週間の講習を受け配置されました
歯科衛生士 職業 誕生
1948年7月
歯科衛生士法 制定
歯科衛生士業務を行う歯科医師以外の専門職として
日本に
歯科衛生士
という職業
が
誕生しました
歯科衛生士の養成教育
第一号歯科衛生士の誕生
1949年から歯科衛生士の養成教育がはじまりました
1年後の1950年、74名が養成教育卒業の第1号歯科衛生士となりました
(歯科予防処置の専門職)
日本に「歯科衛生士」という職業が紹介されてから31年という長い歳月が経過しています
現在
歯科衛生士という職業が日本に誕生してから77年
現状にあわせた法改正、条文の見直しが行われ
現在の歯科衛生士の修行年限は3年制以上になりました
法や制度の動きや人々の保健・福祉・医療への要望は多様化し、複雑化していますが
これまで以上に職種の専門性やその社会的貢献が問われる時代になりました
これらを見据えながら、歯科衛生の発展のためにも努力していく必要があります